過去の桐生タイムス紙面から、気になる記事を紹介する「わたらせさん、時をかける」。さて今回は、何年前に「時をかける」?

「全国唯一の校名に幕」というタイトルと、校舎の前で児童たちが記念写真を撮る様子が目に留まりました。これは2001年3月12日の桐生タイムス紙面の記事です。
「詩画家・星野富弘さんの母校として知られる、勢多郡東村の杲(ひので)小学校で、11日に村などが主催する閉校式典と、児童会主催の閉校のつどいが行われ、在校児童や同窓会員ら約500人が、思い出深い学びやとの別れを惜しんだ」と始まる記事。
「同校は明治7年(1874年)、大蒼院内に神戸小学校小中分校として創立され、現在地に校舎が完成したのは明治22年(1889年)。『日の光が天高く杲々(こうこう)と照る』という意味の『杲』を『ひので』と読ませて用いた日本で唯一の校名は、明治25年(1892年)に小中尋常小学校から杲尋常小学校に改称して以来、108年間使われてきた。今年度の卒業生18人を含む延べ卒業生は5270人にのぼる」と記されています。
児童会主催のつどいには、星野富弘さんも出席されたようで、「私に大きな影響を与えてくれた杲小がなくなるのはさみしいが、若い皆さんが日本の中に出ていって活躍してくれることを期待しています」とエールを送りました。「最後には校庭で校舎を背に記念写真を撮影したり、同校の学級園で育てた草花の種をつけた風船を飛ばし、別れを惜しんだ」と、歴史ある小学校の閉校式の様子が伝えられています。