ホロコーストを生き延びた建築家の光と影の半生
ブルータリスト
ハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートは、第二次世界大戦下のホロコースト（ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺）を生き延びるが、妻やめいと強制的に引き離されてしまう。その後、アメリカのペンシルベニアに移住した彼は著名な実業家ハリソンと出会う。建築家ラースローのハンガリーでの輝かしい実績を知ったハリソンは、彼の家族の早期アメリカ移住と引き換えに、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築を依頼。しかし、母国とは文化もルールも異なる地での設計作業には多くの困難が立ちはだかる。
2024年、第81回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞（最優秀監督賞）を受賞し、第97回アカデミー賞でも作品賞ほか計10部門にノミネートされた本作は、36歳の気鋭ブラデイ・コーペットが監督・脚本・製作を務めた215分にわたる壮大な人間ドラマだ。
『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディが主演を務め、ラースローとともに数奇な運命をたどることになる妻エルジェーベトを『博士と彼女のセオリー』のフェリシティ・ジョーンズ、アメリカへ渡ったラースローに大きな影響を与える大富豪ハリスンを『ＬＡコンフィデンシャル』のガイ・ピアースが演じている。
戦争に全てを奪われた建築家が希望を抱いたアメリカンドリーム。その光影にさいなまれながら家族への愛と建築への情熱をたぎらせ続けた30年。その半生を共に旅する極上の没入体験をスクリーンでぜひ。
