差し入れるのは、小さな希望。
金子差入店

 厳しい審査や検閲がある差入のルールを熟知した差入屋。さまざまな事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある仕事だ。そんな差入店を営む家族の絆と、彼らが巻き込まれる不可解な事件を描くヒューマンサスペンスが誕生した。「SUPER EIGHT」の丸山隆平が「泥棒役者」以来8年ぶりに映画主演を務め、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣、岸谷五朗、名取裕子、寺尾聡らが共演。『東京リベンジャーズ』シリーズなどの助監督を担当し、本作が長編初監督作となる古川豪が自らのオリジナル脚本でメガホンをとった。主題歌はSUPER BEAVERの「まなざし」。この混迷の時代を懸命に生きる者たちへの熱い思いが込められた歌詞が心に響く。

 金子真司(丸山隆平)は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を一家で営んでいる。ある日、息子の幼なじみの女の子が殺害されるという事件が発生しショックから立ち直れないでいる時、犯人の母親が「差し入れをしたい」と店を訪れる。金子は差入屋としての仕事を淡々とこなそうとするが、犯人の常軌を逸した応対に感情を激しく揺さぶられる。そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。この二つの事件と向き合ううちに金子の過去が周囲にあらわとなり、家族の絆を揺るがしていく。