だれにもわたさない
ドールハウス
5歳の娘・芽衣を亡くした鈴木佳恵(長澤まさみ)と夫の忠彦(瀬戸康史)。悲しみに暮れる佳恵は、骨董(こっとう)市で見つけた芽衣によく似たかわいらしい人形を購入し、愛情を注ぐことで元気を取り戻してゆく。しかし、佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、二人は人形に心を向けなくなる。やがて5歳に成長した真衣が人形と遊ぶようになると、一家に変な出来事が次々と起きはじめる。人形を手放そうとしたものの、捨てても供養に出してもなぜか戻ってきてしまう。佳恵と忠彦は専門家の助けを借りながら人形に隠された秘密を解き明かしていくが…。
『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口史靖監督が長澤まさみを主演に迎え、亡き娘に似た人形に翻弄(ほんろう)される家族の恐怖をオリジナル脚本で描いたミステリー映画。本作は今年3月、ポルトガル・ポルトで毎年開催されている、ファンタジーやSFなどに特化した「第45回ポルト国際映画祭」でグランプリを受賞した。
佳恵とともに人形の謎に迫る夫・忠彦を瀬戸康史、佳恵と忠彦の前に現れる呪禁師・神田を田中哲司、私服警官・山本を安田顕、忠彦の母・敏子を風吹ジュンが演じる。テーマソング「形」を手掛けたのは、特定の形を持たない音楽バンド「ずっと真夜中でいいのに。」(ずとまよ)の作詞・作曲・ボーカルギターのACAね(あかね)。まるでアヤちゃん(人形の名前)が歌っているかのような印象を受ける楽曲だ。