
私は、群馬の地酒(日本酒)の価値や消費量を上げることを目的に群馬SAKETSUGU(サケツグ)を立ち上げ、情報発信や各種イベントの企画運営を行っています。群馬県庁で15年間にわたって経済や福祉分野に携わらせていただいた中で、地域の伝統産業のひとつとして地酒の振興業務を担当したことがきっかけです。
日本酒市場は日本の人口減少、酒類の多様化、1人当たりの飲酒量の減少などにより、昭和48年度をピークに50年にわたって減少傾向が続いていて、群馬の地酒も同様となっています。推計値として、群馬の地酒の年間生産量を群馬県の20歳以上の人口で割ってみたところ、1人あたり1週間に30㍉㍑にも満たない結果となりました。日頃、群馬の地酒を飲んでいただいている方々はこの結果にビックリされます。「私は何人分を飲んでいるんだ(笑)!」と。それだけ飲まない人が圧倒的に多いということなのだと思います。日頃から県民を代表して、何人分もの群馬の地酒をご愛飲いただいている皆さんには感謝申し上げます! この群馬の地酒の生産量の中には、県外や海外への出荷分も含まれていて、県外出荷の方が多いという酒蔵もあります。そのことを踏まえると推計値はもっと小さな数値になってしまいます。
「地酒」は、全国展開の大手メーカーの日本酒との対比で、各地域のおらが酒、地域の酒という意味ですが、なかなか地域で愛し飲まれ続けていくというのは簡単なことではないのかもしれません。「群馬の地酒」の酒蔵の皆さんは、地酒としてぜひ、地域の方々に飲んでいただきたいと思っています。県内でも各酒蔵、そして酒蔵による組合、群馬県酒造組合でさまざまな取り組みを行っています。寒さ厳しいこの季節は日本酒を楽しむのにベストなシーズンです。各酒蔵では新しくできたしぼりたての新酒がお目見えしますし、冷えた身体を温めるおかん酒も最高で、鍋料理などと一緒に楽しむことができます。
本欄をお読みいただいた皆さまにはぜひ、この週末にでも群馬の地酒を手に取っていただき、ほんのわずか、30㍉㍑でも構いませんので、地域の酒、地酒を飲んでいただきたいです。よろしくお願い致します!
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