埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区)で企画展「メキシコへのまなざし」が開催されている。作品や資料、開催された展覧会などを通じて、戦後日本がメキシコ美術に向けたまなざしを、さまざまな角度から検証する。
1950年代の日本では、メキシコ美術が展覧会や雑誌を通じて盛んに紹介され、多くの美術家がその鮮やかな色彩、古代文明や革命の歴史と結びついた力強い造形表現に魅了された。とりわけ、55年に東京国立博物館で開催された「メキシコ美術展」は、美術家たちがメキシコに目を向けるきっかけとなった。一方、埼玉県立近代美術館は、埼玉県とメキシコ州との姉妹提携締結などもあり、82年の開館以来メキシコの近現代美術を収集し、メキシコ美術に焦点を当てた展覧会をたびたび開催してきた。
今展では、メキシコにひかれた美術家の中から、福沢一郎、岡本太郎、利根山光人、芥川(間所)紗織、河原温の足跡をたどり、彼ら彼女らがメキシコをどのように捉えたのかを考えていく。
会期は前期展示が3月23日まで、後期展示が3月25日〜5月11日(午前10時〜午後5時半、月曜休館だが2月24日と5月5日は開館)。観覧料は一般900円、大高生720円で、中学生以下、障害者手帳などを持つ人(付き添い1人を含む)は無料。問い合わせは同館(☎048・824・0111)へ。