栃木県の小山市立博物館で6月29日まで、第82回企画展「ザルとカゴ~〝用〟から生まれたくらしの道具~」が開かれている。ざると籠というありふれたものを見直し、新たな発見をすることができる展示となっている。 長く使い続けられてきた暮らしの道具は、人々のなりわいの中で必要であることから生み出され用いられてきた歴史を持っている。かつてそれらは身近な自然から材を採り、多くは用途に合わせて自らの手で製作され使用されていた。そのため、ありふれた道具にこそ、人々が積み重ねてきた知恵や工夫が内包されているだけでなく、生活用具としての「機能性」だけでは読み解くことができない、人々の美意識や生活哲学さえも見てとることができる。
今展では、ざると籠を採り上げ、その歴史、材料、製作、種類、使用方法から、それらの持つ呪術性など、さまざまな視点から掘り下げて紹介。人々の暮らしに小さな便利や快適さ、豊かさを与えてくれるささやかな道具を改めて見直し、新たな発見と出合う機会を提供している。 開館時間は午前9時~午後5時。毎週月曜と第4金曜休館。入館料は大人200円、高大生100円、中学生以下無料。6月15日はとちぎ県民の日のため一律無料。
問い合わせは同館(☎0285・45・5331)まで。