過去の桐生タイムス紙面から、気になる記事を紹介する「わたらせさん、時をかける」
今回は、1999年11月22日桐生タイムス紙面から「時をかける」!


 1999年11月22日の紙面をめくると、「さよなら旧赤岩橋 あすから本格解体」という見出しと、旧赤岩橋の写真が目に留まりました。昭和16年の架設以来、58年間にわたって桐生の交通を支えてきた橋。その橋げた撤去が、ついに始まるという記事でした。

 この年の3月に新しい赤岩橋が開通し、旧橋はその役目を終えていました。渡良瀬川の渇水期(11月〜翌年5月)を待って始まった解体作業は、大型クレーンで橋げたや梁(はり)をつり上げる大掛かりなもの。橋が空中で途切れた姿は、まるで時代の節目を象徴するかのようでした。

 あれから26年。昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わり、あの橋を渡った記憶も懐かしい思い出になりました。記事には「渋滞を招く改良工事への理解を求める」県土木事務所のコメントもあり、まちの交通が新しい形へと変わっていく過程が伝わってきます。

 現在の赤岩橋は歩道も広く、朝夕には通勤や通学の人々の姿が絶えません。かつての旧橋を渡った日の風景、覚えている方も多いのではないでしょうか。