ボートレース桐生北ウイング駐車場と阿左美沼の間、総面積は約2900㎡

 2020年の東京オリンピックで初めて競技種目として採用され注目を浴びた、スケートボードとバスケ3×3(スリーエックススリー)。共に競技人口は上昇中。そんなファン待望の思いっきり練習できる施設がみどり市に完成。人気スポットとして若者を中心に県外からも利用者が集まってきています。

スケートボードパーク場と
3人制バスケットボールコート2面を備えたストリートパーク

立ちはだかる壁を突破し存在感を示せるか

  ボートレース場パーク化の第一歩として、地域のスポーツ振興のために建設された「みどモスストリートパーク」。県内初となる手すりや階段を滑り降りる本格的な「ストリート」のスケートボード場と3人制バスケットボールコート2面を備えています。多くの人に利用してもらうことで、にぎわいを生み出し地域活性化への貢献と、ここで遊んだ子供たちから将来オリンピアンを輩出できたらとの期待も大きいようです。

どんな施設なの?

 スケートボード場には手すりや階段が設置された上級・中級者エリアと、初心者から楽しめる楕円(だえん)を半分にしたような「ランプ」と呼ばれる設備とフリースペースがあります。3×3バスケットボールコートは公式ルールに準じたもので本格的な大会なども開催できる仕様となっています。

 両施設の建設は、プロの意見を取り入れ設計されました。また、本場アメリカ西海岸の施設を参考にしており、ロケーションもとてもいい感じ。阿左美沼に夕日が落ちる頃になると「映える」写真や動画も撮れるらしいですよ。

利用者は

 完成後は常に利用者がいるような状況だそう。利用者たちはリンク内の掃除やごみの持ち帰り、施設のワックスなどの手入れもしているそうで「とてもマナーが良く驚いています」とみどり市競艇事業局担当者。利用者は「きれいで広くて気持ちいい」「何といっても無料が最高!」と大絶賛でした。

大盛況だったオープニングイベント

 1月11日のオープニングイベントではオリンピアンをはじめとするプロスケーターたちの華麗なトリック(技)が披露されました。

 3×3コートでは3人制プロバスケチーム「MINAKAMI  TOWN.EXE(みなかみタウンエグゼ)」らによるエキシビションマッチが行われ会場を沸かせました。そのほか初心者教室も開催され大盛況でした。

 開場時間は8時半〜20時半。ナイター設備あり。使用無料。ボートレース桐生外向発売所「ドラ・ショップ」の休業日は休場となります。

地域のスポーツパークとしての魅力と利用者の声
ボートレース桐生・みどモスストリートパーク

 地元の人たちはもちろん、東京、埼玉、栃木と他県からも多くの若者たちがやってきています。電車を利用したり、親御さんが車で送迎したりとさまざまな方法で訪れています。特に週末になると、施設は活気に満ち、どこからともなくスケートボードの音が響き渡ります。初めて来場する人もいれば「オープンしてから毎週欠かさず来ています」という常連の姿も見られ、予想を超える盛り上がりを見せています。

土曜日、にぎわうパークで利用者さんにインタビュー!

 前橋市の山下朔くん(8)は、お父さんと一緒に来場しました。

 スケートボードに興味を持ったきっかけは、オリンピックの試合をテレビで見たことだそうです。鮮やかな技を決める選手たちの姿に憧れ、自分もやってみたいと思うようになりました。今では毎週土曜日はこのパークに足を運び、日曜日はスケートボードスクールに通うのが習慣になりつつあります。

 「将来はオリンピックの選手になりたい!」と目を輝かせながら話してくれました。その夢を応援するため、スケートボード未経験のお父さんも、練習風景を動画に収めたり、一緒に技の研究をしたりと積極的にサポートしています。

 埼玉から訪れた15歳の少年たちは、今回が2回目の来場です。彼らはさまざまなスケートボード施設を巡るのが趣味で、このパークを知って以来、すっかり気に入ったようです。「無料ってすごいっすよね!」と感動を隠せない様子で話してくれました。スケートボードの魅力について尋ねると、「かっこいい」「楽しい!」と即答。確かに見ていると、次々と繰り出されるトリックには思わず息をのむものがあります。しかし、転倒のリスクも少なくありません。「転ぶこともまた楽しい!」と笑顔で答えてくれました。失敗を恐れず挑戦する姿勢がこのスポーツの醍醐味(だいごみ)なのかもしれません。

 休日になると利用者が増え、混雑して滑りにくいこともあるそうです。しかし、来場者たちは時間帯をずらしたり、広いスペースを必要としない技を練習したりと、それぞれ譲り合い工夫しながら楽しんでいます。スケートボード初心者でも安心して練習できる雰囲気が整っているのも、このパークの魅力の一つでしょう。

 3×3バスケットボールコートでは、地元の中学生たちがボールを追いかけ、楽しんでいました。放課後や週末になると頻繁に訪れる子どもたちも多く「ここに来れば友達がいる」と話していました。「ここができてから、外で体を動かすことが増えた」との声もあり、地域の青少年にとって貴重な遊び場となっているようです。

 また、施設の周辺には親御さんたちの姿も多く見られます。送迎の合間に、子どもたちのプレーを眺めたり、同じく待機中の保護者同士で交流したりする姿が見受けられました。さらに、「送迎のお父さんかな?」と思い声をかけたところ、実は近所の方で「こんなにも若い人たちが集まっているのを見るのもいいものだね」と、立ち見しながら楽しんでいる様子でした。近くの遊歩道からも立ち止まってプレーを眺める人が多く、地域の人々にとっても憩いの場になっているようです。

施設の管理と利用者の協力

 担当者によると、「パークを利用者さんたちが主体となって育てていってくれている」とのこと。
 これほどの設備を無料で利用できるのは非常にありがたいことです。今後も長く使用できるよう、みんなでルールを守り、大切に活用していきたいですね。

[教室の案内]
 県内初の3人制プロバスケットボールチームMINAKAMI TOWN.EXE(みなかみタウンエグゼ)の選手たちの指導によるバスケットボール体験会を実施します。年齢制限はないので子どもから大人まで興味のある人は参加OK。
 日程は3月4日㈫・13日㈭・18日㈫・25日㈫17時~19時半まで。申込不要、参加費無料。タオル、水筒、ボールがある方は持参で参加してください。数に限りはありますがボールの貸出もあるそうです。

 このように、スケートボードや3×3バスケットボールといった新たなスポーツが、多くの人々に親しまれています。これからも、より多くの人が気軽にスポーツを楽しめる場が増えていくといいですね。


[スケートボードって?]
 スケートボードは、前後に車輪がついた板に乗り、トリック(技)を行うスポーツです。その難易度や高さ、スピードなどを評価する採点競技としても楽しまれています。2020年の東京オリンピックで初めて正式種目として採用され、大きな注目を集めました。そして、2028年のロサンゼルス大会でも実施されることが決まっています。
 オリンピックにおけるスケートボード競技には、「ストリート」と「パーク」の2種目があります。「ストリート」は街の風景を思わせる障害物を使って技を競い、「パーク」は曲線的な地形のコースでダイナミックな技を繰り出す競技です。日本代表選手たちは両種目でメダルを獲得し、その活躍をきっかけに競技人口が急増しました。現在、多くの若者がスケートボードの魅力に引かれ、日々練習に励んでいます。

[3×3バスケって?]
 3×3バスケットボールは、1チーム3人(交代要員を含め4人)で行う、少人数で気軽に楽しめるバスケットボールの形式です。コートのサイズは通常のバスケットボールコートの半分(ハーフコート)で、試合時間も短くスピーディーな展開が特徴です。
 2022年には、日本国内のプロリーグに参加するチームが50を超え、ますます人気が高まっています。ストリートバスケットの要素を取り入れたこの競技は、観客との距離が近くエキサイティングな試合が繰り広げられます。


【取材協力・問い合わせ】

みどり市競艇事業局☎0277・76・2595