学校のことや勉強のことなど、子どもの教育をめぐる親の悩みは尽きないもの。「よその家ではどんなふうに考えているのか知りたい」。そんな声に応えて、みんなの学校新聞編集局では、同じ境遇の親たちに集まっていただき、本音で語り合ってもらう場を設けました。題して「子育て世代のぶっちゃけ座談会」。今回のテーマは「いまだに学校は黙食って、どーなの?」です。①を2回に分けて掲載します。今回は①前編です。

(2025年1月27日付「みんなの学校新聞」記事から)

座談会取材は1月26日、桐生市内で行われた

コロナ禍から継続されている〝黙食〟

司会 実はえみこさんからいまだに学校で黙食が行われているという話を聞いて、私自身驚きました。実際、保護者の方はどう思っているのかなと思い、今回、お集まりいただきました。よろしくお願いします。

◎かえで えみこさんから聞くまで、まさかまだ学校で黙食をしているとは知らなかったんです。うちは中2男の子なので学校であったことを私にしゃべってきたりとかっていうことはないので。
小学校ぐらいまでは「きょう給食全部食べられた?」とか「学校どうだった?」とかって子どもに振ったりして話したりとかはあったけれど、中学生になってから、そういう機会もめっきり減ったので…。だからちょっと衝撃でした。

◎かな 中学生になるとそうなりますよね。子どもは、自分に都合が悪かったり、めんどくさかったら「知らない」とか言うから、「それ以上根掘り葉掘り聞くのもなぁ」ってなりますよね。だから、黙食しているかどうかなんて、学校で「親子給食」があるわけじゃないから、実態は分からないです。

●司会 そうですよね。実際、この話は学校現場にいらっしゃるえみこさんから聞いたので、その辺りちょっと聞かせてください。

◎えみこ 私がいるのは中学校です。給食の時間は授業と同じぐらい廊下は静かですね。給食の時間の音楽がかかっているだけの状態です。

◎かえで コロナ禍で黙食になり、それがずっと続いている感じなんですかね?

◎えみこ そうそう。コロナの時に黙食になって、もう3、4年も経過しています。子どもたちにとっては「給食ってこういうものだ」というのが、当たり前になってしまったから、子どもは親にもあえて言わないんだろうなって今、想像しました。
 (キッズバレイの)ユースセンターの子どもたちに、「ここでいいこと何?」って聞いたら、「みんなとしゃべりながらご飯を食べられるのが楽しい」って言っています。「そうだよね、学校ではしゃべれないもんね」って。

●司会 やよいさんは太田の方ですよね? 太田ではいかがですか?

◎やよい 中1の娘に聞いてみたら、「そうだけど」って言っていました。「ええ! そうなの」って、私の方がびっくりしました。

●司会 同じ太田市在住のももさんはどうですか?

◎もも きょう、午前中息子が試合だったので、帰りの車内で、「ちょっと、これから黙食の話をしに行ってくるんだけど、学校はまだ黙食なの?」って聞いたら、「そうだよ」って言っていました。私も初めて聞いて驚いたんですけど、息子は「めんどくせえからそのままでいいんじゃね。静かだし」って言ってました(笑)。

●司会 机の向きを変えてグループとかにもしてないんですかね?

◎もも 前向きで、前の人の背中を見て食べてるみたいです。

◎かな そもそも黙食だから、グループにはしてないよね。

◎かえで 子どもが小学校の時は少人数の小学校だったので、食堂があって、全学年でそこで食べるっていう感じだったんですけど、それもコロナ禍で廃止されました。それ以前は1、2年生の前が6年生だったり、異学年で交流があったものが、コロナ禍で、教室で自分の席で食べるようになったんです。うちの子の場合、小学校3年生くらいからずっとそうだから、今の状態に何の違和感もないんだろうなと思いますね。

◎えみこ でも、何で元の状態に戻らないんだろう。

◎やよい 娘に聞いたら、「先生もその方が楽なんじゃないの」って言っていました。

◎かな そもそも給食の時間が短いんですよね。たとえば、別の所ですけど給食時間の短さで急いで食べて低学年は詰まらせるとかあったと聞きます。

●司会 給食の時間って何分ぐらいなんですか?

◎えみこ 多分配膳含めて45分ぐらいかな。
(編集部注)学習指導要領では小学校50分、中学校45分という目安が示されている。一般的に配膳に15分、片付けに10分ほどかかるため、実質食事の時間は20分程度といわれている。

◎かな さまざまな事情があってそうなってしまっているのか、詳しいことは分からないですけど、今の(黙食の)状態だと給食の時間が楽しくないんじゃないかなって思いますよね。先生たちもどう思ってるんだろう?

◎もも 先生たちも忙しいですからね。

◎かな お休みがいると、結局はグループにしてもっていうのもあるかもしれない。 (つづく)

本記事は「みんなの学校新聞」で読むことができます
https://np-schools.com/news/12192


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