群馬県教育委員会(平田郁美教育長)は3月17日、今年度の公立高校入学者選抜から初めて導入されたウェブ出願システム(G-smart)について、運用が円滑に進んだことを明らかにした。システム導入を担当した高校教育課では「まだ再募集の選抜で(システムは)稼働しているが、これまでのところ特に目立ったトラブルなどは報告されず、選抜に関する事務手続きを効率化できた」と話している。      

(2025年3月17日付「みんなの学校新聞」記事から)

入試に関する事務手続きの負担が軽減

 同システムの導入により、いままで紙で作成し、中学校の教員が志願先の高校に提出していた入学願書、インタビューシート、調査書などの書類がデジタル化され、教員の作業が大幅に削減された。ただ、一部の中学校では「志願者や保護者からの問い合わせ対応などで教員の負担が増加した」との報告もあったという。

 受検料の支払いについても、キャッシュレス決済が可能になり、県証紙の購入や銀行窓口での手続きがなくなった。「場所や時間を選ばず、受検料を納付できるようになったことで、保護者の利便性が高まった」と県教委では説明する。決済手数料は保護者の経済的な負担を軽減するため、高校を設置する教育委員会が負担した。

きめ細かいサポートで混乱を回避

 1年先行してウェブ出願システムを導入した神奈川県で運用トラブルがあったことなどを踏まえ、システムに起因して希望する高校を受けられないなどの事態を招かないよう、強固で安全なシステムを構築。導入時の混乱を避けるため、中学、高校教員向けの説明会や志願者向けのリーフレットを作製するなど、周知を徹底した。

 県教委に電話やインターネットのフォームによるヘルプデスクを設け、操作方法などの質問にも対応した。高校教育課によると、2月末日時点で、電話・フォームあわせて1786件の問い合わせがあったという。

 また外国籍を有する志願者にも配慮し、「活用の手引」の重要な部分は「やさしい日本語」で表現し、ルビをふった資料を、各中学校などに配布。志願者用の操作説明動画をYouTubeに限定公開し、字幕翻訳機能を用いて視聴できるようにした。

改善に向け、今後アンケートなどを実施

 今後の改善に向けた対応として、受検者や保護者、中学、高校の教員、市町村教委へのアンケートを実施したり、校長会での聞き取り調査を行い、より使いやすいシステムになるよう改善を図りたい考えだ。

本記事は「みんなの学校新聞」で読むことができます
https://np-schools.com/news/12916


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