過去の桐生タイムス紙面から、気になる記事を紹介する「わたらせさん、時をかける」。
今回は、2004年6月21日桐生タイムス紙面から「時をかける」!
2004年6月21日の紙面をめくると、ある見出しが目に留まりました。
「わたらせ渓鐵『宮脇俊三号』が快走 鉄道ファン100人来訪」
鉄道紀行作家・宮脇俊三さんをしのぶ特別列車の旅が、わたらせ渓谷鐵道で行われた日の様子を伝えた記事です。
『時刻表2万キロ』の著者・宮脇俊三さんは、出版社に勤めながら全国の鉄道を完乗。その体験をもとに、〝鉄道紀行〟という文芸ジャンルを切り開きました。菊池寛賞や日本ノンフィクション賞を受賞し、鉄道を愛する多くの人々に影響を与えました。
彼が最後に完乗を果たしたのが、旧・国鉄足尾線、現在のわたらせ渓谷鐵道。間藤駅は〝完乗の地〟として、ファンにとって特別な場所です。
この追悼イベントは、宮脇さんの逝去翌年である2003年6月に初めて開催され、大きな反響を呼びました。2回目となる今回も、板谷成雄さんデザインのヘッドマークを掲げた「サロン・ド・わたらせ」が特別運行。間藤駅では、自筆原稿や全国マップ、切符などが展示され、銅ふれあい館ではフォトジャーナリスト・櫻井寛さんの講演も行われました。
紙面には、特製ヘッドマークを掲げて走る列車の姿と、沿線でカメラを構える鉄道ファンの写真が添えられ、現地の熱気と雰囲気が鮮やかに記録されていました。