地区内の公立高校の現状や課題を共有するため、群馬県教育委員会(平田郁美教育長)は昨年11月21日、「県立高校の在り方に関する地区別情報交換会」を前橋合同庁舎で開催した。対象は前橋地区で、県議会議員や市長、PTA関係者など計36人(うちオンライン3人)が出席した。進行はこれまでの会合と同様の形式で行われ、冒頭に平田教育長があいさつ。続いて髙橋章高校教育課長が、同地区の公立高校の現状を資料を用いて説明した。
(2025年11月22日付「みんなの学校新聞」記事から)
他地区に比べ減少緩やかも2040年度は平均3・8学級の見通しに
生徒数の減少傾向を見ると、前橋地区は2040年時点で2026年に比べて32・3%減と、他地区に比べて緩やかな減少となっている=グラフ。

同地区の公立高校10校(※)では2026年度入学予定者の1校あたりの平均学級数は5・6学級。現行の10校体制を維持した場合、2040年度には平均3・8学級となり、およそ半数の高校が県が適正規模とする「4~8学級」を下回ると試算している。県教委は、このシミュレーションについて「同地区の減少率を掛け合わせた簡易的な算出であり、あくまで規模感を示すもの」と説明したが、出席者からは「全県一区で受験しているのに、前橋地区の卒業生数のみを基準に計算し、例えば前橋高校が7学級から4・7学級になるとする試算は前提が違うのではないか」といった厳しい意見も出た。
進学状況示されるも「私立含めた議論必要」と指摘相次ぐ
2025年3月の中学校卒業者の進学先を見ると、県内他地区の公立高校については、前橋市内への流入が730人、流出が574人で「流入超過」となっている。桐生市方面へは流出が上回っている。
入試倍率については定員の調整をしながらも、過去5年1・0倍を超えており、他地区と比べて恵まれた状況にある。
県内私立高校への進学率は21%と比較的高く、市内に私立高校が2校あることに加え、鉄道アクセスの良さも影響しているとみられる=表。県外高校への流出は県平均を下回った。

議論では、私立高校の無償化が与える影響に関する質問が複数出た。「本来なら県の私学担当の部署も同席すべきだったのではないか」との指摘もあり、「私立高校側の状況も含めた議論でなければ意味がない」と意見が相次いだ。これに対し県教委は「今回の情報交換会の内容は県の私学・青少年課と共有している」と説明した。
県として再編の方向性やたたき台を求める声も
次段階となる「地区別検討会」に向けた意見も多く、出席者からは「地域の声も重要だが、県として再編の方向性やたたき台を示さなければ議論が深まらないのではないか」といった要望や、スピード感ある検討を求める声が上がった。また、渋川寄りに位置する前橋西高校を例に、「吉岡町からの通学者が多いなど、単に前橋地区という枠では議論が不十分。次の検討会では地域性を適切に反映すべき」との意見も出た。これに対し県教委は「柔軟に対応できる形で考えていきたい」と応じた。
さらに、沼田高校と沼田女子高校の統合を引き合いに、「地元の反対で10年かかった。今回はその苦い経験を踏まえて、地域の声を聞いたという〝アリバイ作り〟をしているのではないか」と率直な疑問を投げかける出席者もいた。
今回の前橋地区で、情報交換会は全日程を終えた。終了後、平田教育長は「地区によって課題が異なり、さらに地区内でも状況の違いがあり、難しい面もあるが、地域の皆さんが地元の高校の将来を真剣に考えてくださっていることが伝わった。困難は伴うが前向きに取り組んでいきたい」と語った。
県教委は今後、準備が整った地区から、有識者を座長とする地区別検討会を順次開催するとしている。籍校での)出席扱いとするケースも多い」(県教委)という。
(編集部)
前橋高校、前橋女子高校、前橋南高校、前橋西高校、前橋東高校、勢多農林高校、前橋商業高校、前橋工業高校、前橋清陵高校、市立前橋高校
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