今回から計4回寄稿させていただきます、橋本です。

 コロナ禍を機に、「地域おこし協力隊」制度を活用し群馬県みどり市東町へ移住、現在5年目。活動拠点は同じく、みどり市あずま地区にある木工場「わらべ工房」で、木製品の制作、出展、ワークショップなど地域の魅力を生かしたモノづくり関係に従事をしています。

 普段の僕といえば「起業!モノづくり!トレンド!地方創生!」といった、何とも我ながら恥ずかしくなるような節操の無い日々を送っていますが、今回は〝ゆるふわ〟気張らずとのテーマなので、いつもあまり表に出さない自分のB面?私生活を書いていけたらと思います(僕の普段の活動が気になる方は公式HPやインスタをご覧ください)。

 僕の仕事以外の楽しみといえば、地元渡良瀬川やその支流、草木ダムを舞台にしたルアー(疑似餌)釣り。

 自宅も工場も渡良瀬川のすぐほとりにあるので、仕事前後に1時間あれば釣りに出たり、ダム湖面で行っている湖面アクティビティ「カヌーツアー」の営業の合間にちょっとひと投げできてしまう環境に身を置いています。

 またモノづくりが好きなので、木工場から出る地元産の木材(主に杉やヒノキ)を削ってルアーを製作。自作のルアーで釣れた一匹は、魚種やサイズを問わず格段にうれしく、記憶に残ります。

 地元の木材を素材に地元の加工場で作り、地元の川で釣る。自分ならではの循環を作っているような気もするし、自然のサイクルの中に取り込まれていくような気もします。

 こうした、都内にいた時では得られなかった自然との一体感は、自分に新たな視点をもたらしてくれるのにも気づきます。

 魚を逃がしてしまったときの落胆や大物を釣ったときの高揚は、「自分ってこんな感情的になれたんだ」と思うし、ルアーを削りながら「モノづくり」ってこんなに楽しいんだよな、と再確認できる。

 仕事じゃないから寄り道ができるし、気分で脱力できるし、その場で座り込んでぶつぶつ考えごとをしたり、目の前の一匹の魚に心底必死になれる。ちょっと気分転換ができる今の生活を、今はとてもぜいたくに感じています。

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