世界のどこかで君が笑っていますように
おいしくて泣くとき

 互いの幸せを願う純粋な思いをまっすぐに描き、多くの読者の心を震わせた『おいしくて泣くとき』(森沢明夫著)が実写映画化。アイドルグループ「なにわ男子」の長尾謙杜が映画初主演(風間心也役)を務め、同じく森沢明夫原作の映画『大事なことほど小声でささやく』も手がけた横尾初喜監督がメガホンを取った。ヒロインを演じたのはアニメ映画『かがみの孤城』で主人公の声優を務めた當真あみ。そのほか、子ども食堂を切り盛りする心也の父・耕平に安田顕、心也の亡き母・南に美村里江、父の思いを受け継いで子ども食堂を守る30年後の心也にディーン・フジオカが扮(ふん)している。主題歌「フィラメント」を書き下ろしたのは、聞く人を包み込むような歌声と、神秘的な存在感で注目を集めるシンガー・ソングライターUru。

 幼い頃に母を亡くした心也(長尾謙杜)と、家に居場所がない同級生の夕花(當真あみ)。学級新聞の編集委員を任された2人は最初はぎくしゃくするも次第に打ち解け、2人だけで「ひま部」を結成する。それぞれ孤独を抱える心也と夕花は距離を縮めていくが、ある事件をきっかけに夕花は姿を消し、心也は行き場のない思いを抱えたまま、交わした約束を胸に彼女を待ち続ける。そして突然の別れから30年がたったある日、夕花の秘密が明かされる。会えなくても、姿が見えなくても、誰かが誰かを思う気持ちは決してなくならない。この春、いちずな思いが起こす奇跡にあなたもきっと涙する。