あの日、英雄が消えた
宝島
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える〝戦果アギヤー〟と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を挙げることを夢見る幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは〝予定外の戦果〟を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実にやり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。
戦後の沖縄を舞台に時代にあらがう若者たちの姿を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説『宝島』を映画化。妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら豪華キャストが共演。『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督がメガホンをとった。沖縄がアメリカだった時代を真正面から描く本作は、実際に起きた事件を背景に当時の状況を徹底的に調べ尽くしリアルな沖縄を再現。延べ2000人を超えるエキストラが投入されたクライマックスシーンなど、壮大なスケールで描く感動サスペンス。