中学生の進路希望は、依然として全日制高校が大勢を占める一方、その内訳には変化の兆しが見られる。群馬・栃木・埼玉の3県を比較すると「公立離れ」「私立志向」という全国的な流れが改めて鮮明となり、とりわけ私立無償化の影響が進路選択に表れていることが分かる。ただし、その進行度合いには県ごとの差もあり、群馬県では公立志向が比較的保たれている。また、通信制高校をはじめとする全日制以外の進路も、着実に存在感を増してきた。進路選択の多様化が進む中で、各県の数字は何を物語っているのか。最新の進路希望調査から、高校進学をめぐる現在地を読み解く。

(2026年1月10日付「みんなの学校新聞」記事から)


全日制高校の進路希望 3県で「公立離れ、私立志向」の流れ鮮明に 群馬はやや緩やか

 校種別に見ると、進学先として最も多く選ばれているのは全日制高校で、希望者は中学生全体のおよそ8割を占めている。この割合は全国的にもほぼ共通しており、3県を比較すると埼玉県がやや低め。

 全日制高校の中でも公立高校(埼玉県は国立を含む)を希望する生徒の割合は、群馬県と栃木県でいずれも約65%に達し、公立志向の強さがうかがえる。一方、埼玉県では私立高校への進学希望者が20・6%と3県の中で最も高く、首都圏に近い地域ほど私立志向が強い傾向を裏付ける結果となった。

 全体の傾向としては前年から大きな変化はないが、「私立無償化」を背景に、3県すべてで私立志向が強まっていることが折れ線グラフから読み取れる。

(群馬・栃木・埼玉の各県教委の12月進路希望調査をもとに編集部で作成)※小数第2位以下を四捨五入した
(群馬・栃木・埼玉の各県教委の12月進路希望調査をもとに編集部で作成)

 昨年は群馬県のみ、公立が前年比0・6㌽増、私立が1㌽減と他県とは異なる動きを見せていたが、今年は群馬県も含めて3県とも同様の傾向となった。「公立離れ」「私立志向」という流れは全国的に進行していると言ってよさそうだ。

多様化の時代に広がる進路選択 通信制高校市場はやや鈍化か

 全日制高校以外での進路希望状況はどうか。

 「高専」への進学希望者は埼玉県で0・2%とやや低水準にとどまった。この数値には中等教育学校の生徒数も含まれているため、群馬県や栃木県と比べると、実質的にはかなり低い割合といえる。

 「その他高校」には、各県内の定時制・通信制高校や特別支援学校など、全日制高校および高専以外の進学先が含まれている。このうち「通信制」はその他高校の区分から取り出した割合。例えば、群馬県では「その他高校」8・7%の内訳に通信制4・5%が含まれている。

 県別に見ると、埼玉県の通信制高校への進学希望者は6・7%と、群馬・栃木の2県を上回った。ただし前年と比較すると0・1㌽減少している。一方、栃木県は通信制への進学希望者が1・2%と数字上は低く見えるが、私立の通信制・定時制高校を「県外」に分類しているためで、分類方法を調整すれば群馬県と同程度の水準になるとみられる。

(群馬・栃木・埼玉の各県教委の12月進路希望調査をもとに編集部で作成)

 前年同期との比較では、群馬県が0・3㌽増(公立通信制および私立広域通信制)、栃木県は横ばい、埼玉県は0・1㌽減となり、前年を上回ったのは群馬県のみだった。成長という点ではやや鈍化してきたとみるべきか。

 通信制高校の構成比は現時点ではまだ1割に満たないものの、不登校の増加や進路選択の多様化を背景に、今後も拡大していく可能性が高い。実際、長期にわたって通信制高校の進学希望率を調査してきた神奈川県教育委員会の資料では、10年前と比べて希望者が約3倍に増えていることが示されている。  

(編集部)

本記事は「みんなの学校新聞」で読むことができます
 https://np-schools.com/news/16968


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