
まだまだ暑さが続く日々。スーパーの店内の涼しさは灼熱(しゃくねつ)のオアシスですよね。実は群馬県は全国でも有数のスーパー激戦区。地元勢に加え県外チェーンも次々と進出し、売り場では〝静かな戦い〟が繰り広げられています。そんなスーパーをもっと楽しむコツを、研究家への取材や読者アンケートから探りました。
両毛エリアは「スーパー戦国時代」/便利で身近な店への需要が高まる
わたらせ読者100人に聞きました
7月5日から8月15日にわたりインターネットでリサーチしたアンケート「わたらせ読者100人に聞きました」(回答数72人)によると、「週1〜2回スーパーを利用する」と答えた人が全体の58・3%で半数を占め、「週3〜4回」の20・8%と合わせると、約8割の人が週に数回のペースで定期的にスーパーを利用しています。
そんなわたらせ読者がスーパーを選ぶ基準として最も重視しているのは「安さ」(54・2%)と「商品の質・鮮度」(52・8%)それに「近さ」(51・4%)です。これに「お店のきれいさ」「駐車場の広さ」(30・6%)が続き、価格や品質、利便性を軸にしつつも、快適な買い物環境を求める意識の高さがうかがえます。

なぜ群馬にスーパーが集まるの?
全国各地のご当地スーパーを巡るスーパー研究家・菅原佳己さんによると、群馬県と栃木県の県境に広がる両毛エリアは、売り場を歩くだけで地域の食文化の違いを楽しめる全国でも珍しい地域だといいます。
地元系大手スーパーといえば「ベイシア」「フレッセイ」「とりせん」。こうした地元大手に加え、埼玉勢の「ベルク」「ヤオコー」や長野勢の「ツルヤ」、神奈川勢の「ロピア」といった他県のスーパーの参入が相次いでいます。群馬県内はさながらスーパー戦国時代。
こうした出店ラッシュの背景として菅原さんは「首都圏のスーパーが飽和状態で都市部では新規出店できる場所が少なくなっているんです」と話します。群馬は人口密度もほどよく、車社会。大型店舗を展開しやすい環境にあるのも大きいそうです。
最近のスーパーのトレンドは「小型化」。都内では「まいばすけっと」のような小型店が注目され、群馬でもベイシアが小型店の出店を進めています。「仕事帰りにコロッケだけ買いたい人には、大型店は広すぎる。コンビニより安く、生鮮食品も買える小型店への需要が高まっています」と背景を説明してくれました。

スーパーマーケットとご当地食の魅力
スーパーマーケット研究家 菅原佳己さん
1965年東京生まれ。学生時代に映像を学び、卒業後は放送作家として『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などを手がける。2012年、子育て中に全国を行脚しながら執筆した本を機にスーパーマーケット研究家として活動開始。紹介した飛騨高山の「あげづけ」が大ブレークする。

2019年に「全国ご当地スーパー協会」を設立、ご当地スーパーを応援する「ご当地スーパーグランプリ」を主催。年間約100店のご当地スーパーやローカル食メーカーを取材し、新聞や雑誌連載などを通し魅力を伝えている。「お弁当・お惣菜大賞」アンバサダー。TV出演「あさイチ」「マツコの知らない世界」ほか、著書『日本ご当地スーパー大全』など多数。
▶︎ 公式HP『ご当地スーパーオンライン』(https://www.gotouchisuper.online/)
スーパーをもっと楽しむ3つのポイント
スーパーをより楽しむポイントは3つあると菅原さんは教えてくれました。
❶外せない〝お総菜売り場〟
まず外せないのが「総菜売り場のチェック」。
「今のスーパーの総菜は本当にレベルが高くなっています。コロナ禍を経て需要が増え、各社とも力を入れるようになりました。『この総菜を買いたいから、このスーパー』という人がいるほどです」と菅原さん。
かつては冷凍されたものを調理しただけだったお総菜ですが、栄養バランスや食材にこだわり自社調理するのが主流になって、味も品質も大幅にレベルアップしたそうです。

❷味付け肉は〝時短の味方〟
夕飯で一番困るのは、「今日何作ろう」を考えることですよね。暑くて調理が面倒だったり、仕事が忙しくて時間がとれなかったりしたときの強い味方が精肉コーナーの「味付け肉」。焼くだけ、野菜を添えるだけなので献立に悩まなくて済むといいます。「忙しい日は無理をせず、スーパーの商品を上手に活用してほしい」と菅原さん。「味のバリエーションもあるので1週間の献立回しも楽にできます」と教えてくれました。
❸灯台下暗し〝野菜売り場の魅力〟
そして、群馬ならではの魅力として挙げたのが、野菜の豊富さです。「え、野菜?」ときょとんとした記者に菅原さんは「はい」と自信満々に答えてくれました。新鮮で安い野菜がお店を彩る。わたしたちにとっての当たり前が、実はそうでもないらしいのです。
「群馬の人は当たり前だと思っていますが、東京ではこんなに地元産の野菜は並びません。スーパーへ行けば、群馬や栃木の新鮮な野菜が手頃な価格で買える。地元の食材だけで食卓を作れる地域は、実はとても恵まれています」とのことです。
ちょっと遠くても足を運んでみたい
群馬・栃木のご当地スーパー
「もうメディアではすっかりおなじみですが、群馬のご当地スーパーといえば『スーパーマルオカ』(高崎市)でしょう」と菅原さん。「食は命なり」を掲げ、上州牛すき焼き重や蒸し野菜など安心・おいしいものを厳選して販売しています。他県からわざわざ来店するお客さんもいるそうです。

太田市・館林市などに展開する「スーパーアイザワ」は新鮮な地元野菜の驚異的安さと日曜半額祭りなど、地元の人たちから圧倒的に支持されているお店です。「焼きそば2人前が200円弱で買えてしまう激安名物店です」と菅原さん。

太田市の「ヤマグチスーパー韮川店」はゼンショーグループならではの品ぞろえが特徴で、すき家やなか卯、ココスのプリンの食べ比べができるそう。北海道・水上牧場の牛乳を使ったオリジナル商品は菅原さんも太鼓判。

地元食材を探すなら、JA直売所「でんえんマルシェ」(邑楽町)も見逃せないといいます。
「厳密にいうとスーパーではないのですが、地元野菜はもちろん、北軽井沢直送の野菜や大南食品の焼きそば、月星のソースなどご当地色豊かな加工品が勢ぞろい。日曜日限定で販売されるナマズの天ぷらやドジョウの唐揚げなど、珍しい総菜も人気を集めています」

そして県境を越えて足利市へ入ると、売り場の雰囲気は一変するそうです。
「国道を走っていると群馬と足利は県境を意識しませんが、スーパーへ入ると食のボーダーを感じます」と菅原さん。
足利市の「たいらや」には宇都宮餃子コーナーやレモン牛乳が並び、栃木らしさが前面に。
「宇都宮焼きそばはあるのに太田焼きそばはないんです」
おいしいもの総選挙で金賞をとった「バナナをまるごと一本 バナナクレープ」や「おつまみ焼鳥三昧 モモ、ハツ、ハラミ」「パンがみえない焼きそばパン」など個性的な商品も魅力とのことです。




