LINEでタクシーが呼べる!桐生発 新しい移動のカタチ
沼田屋タクシー協力のもと「プレイリスト」メンバーが体験
実際に体験取材を徹底リポート!!

 桐生市で話題のライドシェアサービスが、より便利に進化中。早朝の時間帯にも対応し、地元住民の新たな移動手段として注目を集めています。「気になるけどちょっと不安…」そんな声に応えるべく、タウンわたらせ編集部と群馬大学の学生サークル「プレイリスト」が、実際に体験取材を実施! 利用方法から乗り心地、支払いまで徹底リポートします。

ライドシェアサービスとは

 日本のライドシェアは、一般ドライバーが自家用車で有償輸送を行う形は認められておらず、タクシー会社の管理のもとでのみ運行が可能です。桐生市では夜間の交通手段を補う目的で、LINE(ライン)で予約できるライドシェアサービスを開始。

 制度上は限定的な枠組みながら、自治体主導で交通空白地の課題を解決する先進的な事例として注目されています。

ライドシェアがより便利に進化

 2024年11月からスタートした沼田屋タクシーのライドシェアサービス。開始当初は午後6時から深夜2時(金・土曜は深夜3時まで)の運行でしたが、25年5月12日からは午前7時〜正午の時間帯も加わり、より幅広い時間帯で利用できるようになりました。

 現在、登録ドライバーは15人。うち1人は沼田屋タクシーの正社員で、残りの14人は副業(Wワーク)として活動しています。

 「『ライドシェアって聞いたことはあるけれど、ちょっと不安…』という方もいるかもしれませんが、しっかり研修を受けたドライバーのみが運行を担当しており、安心して利用できる体制を整えています」と、同社統括部長の下山利和さんは話します。

プレイリストメンバー ライドシェア体験

アプリの使い方の説明を受ける
プレイリストメンバー

 百聞は一見にしかず。噂(うわさ)のライドシェアって実際どんな感じなのか? そんな読者の疑問に応えるべく、タウンわたらせ編集部が、沼田屋タクシーと群馬大学の学生による桐生の魅力発信サークル「プレイリスト」の協力の下、ライドシェアの体験リポートをお届けします。今回取材に同行してくれたのは群大プレイリストの爲川紅輝さんと藤根真音さん(ともに4年生)。2人ともライドシェアを利用するのは初めてとのこと。

 まずは、沼田屋タクシー本社で下山さんからライドシェアサービスの説明を受けました。ライドシェアアプリ「MITT(ミット)」の開発は桐生市内のIT企業「シカク」が担当したそうです。

MITTライドシェアアプリのチラシ

 「スタートから徐々に利用者も増えていて、午前中もスタートしたのでお年寄りの通院などの利用も浸透してきています」と教えてくれました。


 では、早速、アプリを登録して、ライドシェアを体験してみましょう!

車を呼ぶ

①アプリ登録も簡単

(LINE)MITT公式

 もらった案内(パンフレット)に表示されたQRコードを読み込み、MITT公式をLINEのお友だち追加をするだけで完了します(左QRコードからお友だち登録できます/QRをクリック〈タップ〉してもリンクしています!)。すでにLINE自体が普及しているので、面倒なアプリのインストールや個人情報の登録作業はありません。

 「実はお孫さんとのやりとりなどで、すでにLINEを使いこなしている高齢者の方も多いので、どの世代でも簡単にご利用いただけます」と下山さんは説明してくれました。

②車を呼ぶ操作もスムーズ

 「車を呼ぶ」ボタンを押すと、「車のタイプを選んでください」という表示が出るので、「ライドシェア」を選択(画面①)。

③乗車地点と目的地の指定

 表示される地図上で、乗車地点と降車地点を選択します。

 「出発地点か到着地点のどちらかが桐生市内である必要があります」と下山さん。これは法令上で定められているそうです。ただ「どちらかが桐生市内」なので、たとえば「太田駅南口から桐生市内の自宅へ」といった利用や「桐生市内の自宅からみどり市内の病院へ」といった利用はできます。

 場所を確定すると、到着までの所要時間、ルート、そして運賃が事前に表示されます(画面②)。

 タクシーと異なり、所要時間に関係なく、最初に提示された料金だけで利用できます。メーターで料金が加算されることはありません。

 その後、「お車を探しています」「ドライバーが決まりました」「お車が到着しました」(画面③)などのメッセージがLINEに届きます。ドライバーにメッセージを送ることもできます。

 配車された車に乗り込み目的地へ。支払いは目的地到着後です。通常、ライドシェアはキャッシュレス決済が基本になっていますが、同社のライドシェアサービスは高齢者の利用も考慮し、国交省の許可を得て、現金、QR決済、クレジットカードのいずれにも対応しているそうです。

乗車・移動

 「想像していたより手軽に呼べてびっくりしました」と爲川さんと藤根さん。今回は沼田屋タクシー本社から新桐生駅まで乗車してみることにしました。

 運転を担当してくれたのは、同社運行管理部の石坂隆さん。普段は運行管理の業務で、ハンドルを握ることはないそうですが、今回特別にお願いしました。

 石坂さんの手元の端末には、事前に藤根さんがアプリで登録した情報が共有されていました。すでにナビとしてルートも登録されており、利用者が逐一道案内をする必要はありません。到着予想時刻も表示されているのでビジネスでの利用にも便利です。

登録した内容はドライバーにも共有

 初めてのライドシェア体験でドキドキしながら車に乗り込んだ2人。石坂さんの安定感のある運転で、目的地の新桐生駅にはあっという間に到着しました。運賃は1030円でした。

 「とても快適でした」と、2人とも満足そうな表情。かなり気に入ったようで「今後もぜひ使っていきたいです」と〝リピ宣言〟もしていました。

ライドシェアで目的地へGo!

 石坂さんの話では登録のドライバーも募集中とのこと。今後は観光案内できる人材なども採用しながらサービスの向上に努めていくそうです。

YouTubeで公開中!!
「ライドシェアに乗ってみた」

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→ リンク先は下動画〈音あり〉
取材協力

沼田屋タクシー ☎0277・44・9159
群馬大学理工学部・桐生魅力発信サークル「PLAYLIST(プレイリスト)」
(インスタアカウント/@kiryu_charm_playlist)