いよいよ、4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが開幕。世界中が熱狂する大舞台に、桐生・みどり地域でも、ボールを追いかける子どもたちの目が輝いています。日本代表へのエール、サッカーにかける夢、そして地元から羽ばたいた選手たちの歩みを通して、地域から世界へつながるサッカーの魅力をお届けします。

小さなホワイトボードに書かれた言葉から
子どもたちの夢が大きく広がる

 ワールドカップ(W杯)を前に、地域の少年サッカー大会に出場した子どもたちに、日本代表への応援メッセージや好きな選手へのエール、自分自身のサッカーへの夢を書いてもらいました。

 ホワイトボードに並んだ言葉は、「日本代表がんばれ」「上田綺世みたいな得点王になりたい」「久保建英みたいにうまくなりたい」など日本代表に自分の夢を重ねる言葉のほか、「ハットトリックを決めたい」「ドリブル100回できるようになりたい」といった自分の目標など、どれもまっすぐで力強いものばかり。世界の大舞台を見つめるまなざしの先には、地元のピッチでボールを追う自分自身の未来も重なっているようでした。

 「みんなで練習頑張って絶対勝つ!」といった仲間との目標を書く子も多く、ほっこりさせられました。

 大きな夢の始まりは、いつも身近なグラウンドから。世界で戦う選手たちへの声援と、自分もいつかその舞台へという思い。小さなホワイトボードに書かれた言葉から、子どもたちの夢が大きく広がっていました。

指導者に聞く、W杯観戦術
「一つ前のプレー」を見れば、サッカーはもっと面白い

 桐生地区少年サッカー連盟の指導者・清水裕さんに子どもたちに向けたW杯の見方をお聞きしました。

 「好きな選手を一人決め、その選手の動きを追いかけてほしい」と観戦ポイントをあげてくれました。注目してほしいのは、シュートやアシストそのものだけではなく、その一つ前の動き。ボールを受ける前にどこへ走ったか、味方のためにどんな準備をしたかを見ることで、プレーの意味が分かりやすくなるそうです。「守備でも、前に出た選手の後ろを誰が埋めるのか、どの場所で強く奪いに行くのかなど、チームの連携に注目してほしい」と続け、「ダイジェストではなく、できれば90分を通して見てほしい」と教えてくれました。1試合を通じて見ることで、時間帯による流れの変化や、チーム全体の戦い方が見えてくるため、子どもたちが自分の試合を考えるきっかけにもなるそうです。

 ご家族でぜひ、実践してみては?

◎W杯日本代表戦日程

 大会は過去最大規模の48チームが出場、米国、カナダ、メキシコで全104試合が実施されます。まずは日本代表の予選リーグ3試合をみんなで応援しましょう!


地元のピッチから、全国へ、世界へ
サッカーを始めた頃の思い出や、夢を追う子どもたちへのメッセージ
FCふじざくら山梨・大矢歩選手/アルビレックス新潟・若月大和選手

 桐生・みどり地域の子どもたちの中にも全国の舞台や日本代表、世界へと羽ばたいていった選手もいます。なでしこジャパン選出歴を持ち、現在もなでしこリーグで活躍する大矢歩選手と、桐生第一高を経てJリーグ、海外で経験を重ねてきた若月大和選手に、サッカーを始めた頃の思い出や、夢を追う子どもたちへのメッセージを寄せてもらいました。

群馬からでも世界は目指せる!/FCふじざくら山梨・大矢歩選手

Q 地元でサッカーを始めた頃、どんな気持ちでボールを追いかけていましたか。子どもの頃、ワールドカップや日本代表をどのように見ていましたか?

A 無我夢中でボールを追いかけていました。ただただサッカーをすることが楽しくて。休み時間も学校から帰って家でもひたすらボールを蹴って遊んでいました。代表選手たちをみるとすごいなあ〜!かっこいいなあ!!とただただ憧れのまなざしでみていました。ワールドカップはワクワクして見て、サッカーがもっと好きになりました。

Q なでしこジャパンに選出された時、地元でサッカーをしていた頃の自分を思い出すことはありましたか。

A 自分のサッカーの原点は地元のクラブだったので、代表に選ばれたときに、群馬でサッカーの基礎(特にパス、止める、蹴る)を繰り返し練習してきたことをふと思い出しました。うまくいかないときも、地元でコツコツと努力した時間、とにかく夢中になって練習してきたことがきっと大きかったんだなぁと思っていました。

Q サッカーに取り組む女の子たちへ伝えたいことはありますか?

A サッカーは激しいスポーツだし、まだまだ男子の方が注目されやすい競技ですが、日本のサッカーで世界で一番になったことがあるのも女子ですし、世代別でも女子は世界一に全部なっています。だからこそ、世界を目指せる可能性が男子よりもたくさんあります。たくさんの方が応援してくれて共に頑張ることができる、サッカーでしか味わえない熱狂や喜びや楽しさがあるから、その魅力をこれからもっともっと感じてほしいですし、サッカーを通して、素晴らしい出会いがたくさんあるのであきらめずに続けてほしいです。

Q ワールドカップをきっかけに、子どもたちにサッカーのどんなところを見てほしいですか?

A サッカーの試合をたくさんみてワクワクして楽しんでほしいです。好きな選手をみつけて、うまい選手のプレーをみてそのプレーをたくさん盗んで自分自身で練習してできるようになったらもっともっと楽しくなるはずなのでみつけてみてください。

Q 地元の子どもたちに伝えたいことはありますか?

A サッカーの夢を持つことは本当に大切だと思います。そして、夢の実現のために練習をすること、努力すること、立ち居振る舞いをしっかり積み重ねることはもっと大切だと思います。私は日本代表になりたいと思ってサッカーをしてきました。夢はかなえることができるんだと思えたことは、私の人生においてとても大きな感動と学びでした。サッカーを好きな気持ちを忘れずにいること、サッカーをする姿を応援してくれる人、支えてくれる家族や周りの人たちへの感謝を忘れないこと、そして自分の大切な夢を自分できっと無理だろうと思わないこと、そして、努力すること。やがて、積み重ねた時間は運を呼び、夢をかなえる味方になってくれる。私が一つ言えるのは、群馬からでも世界は目指せる、夢をかなえることができるということです。そして、そんな地元の子どもたちがいればうれしいし応援したいと思っています!

 サッカーを楽しむことを忘れずに全力で頑張ってほしいです!


夢は恥ずかしがらずに言葉にする/アルビレックス新潟・若月大和選手

Q 地元でサッカーを始めた頃、どんな気持ちでボールを追いかけていましたか?

A 兄がサッカーをやっていたので、一緒にサッカーを楽しんでいました。生まれた頃からサッカー選手へのレールは引かれていたのだと思います(笑)。

Q リベルティ大間々でプレーしていた頃の思い出や、今でも印象に残っていることはありますか?

A ボールを蹴ることがとても楽しみでした。

Q 子どもの頃、ワールドカップや日本代表をどのように見ていましたか?

A 自分がサッカーをすることに夢中だったので、日本代表やプロのサッカーを見ていませんでした。プロサッカー選手になってからサッカーを見るようになりました(笑)。

Q 小学生時代に大切にしていた練習、または「これをやっておいてよかった」と思うことはありますか?

A パスやタッチ、リフティングなどの基礎練習をしておけばよかったと思っています。プロになってからでもうまくはなれますが、やはり子どもの頃から基礎練習を行っていた選手が上手いと感じることがあります。小さい頃からの積み重ねが重要になると思います。また、常に高みを目指して自分がずば抜けてうまいと思えるほどのマインドも大事だと思っています。

Q ワールドカップを目指す、またはプロ選手を夢見る子どもたちに、今から意識してほしいことはありますか?

A 夢を言葉に出すこと。そうしたら夢をかなえようと頑張れるし、行動できるようになる。僕はそういった選手でした。僕は高校の自己紹介でサッカー選手になるという夢をみんなに伝えていました。恥ずかしがらずに夢を口にし、自信を持ってやり続けてください!

Q ホワイトボードに「サッカーの夢」や「日本代表への応援メッセージ」を書いてくれた地元の子どもたちがいます。その子どもたちに伝えたいことはありますか?

A みんなの書いてくれた夢がかなうことを願っています。ぜひ、大人になったら同じようなホワイトボードに〝サッカー選手になりました!〟と書いてほしい! みんなが大人になったときにうれしい報告を聞きたいです。

Q 地元・大間々、桐生地域の子どもたちへ、メッセージをお願いします。

A それぞれ夢を持っていると思います。その夢に向かって積極的に行動し、夢をかなえてください! 僕も地元である大間々、桐生地域のみんなの夢がかなうことを願っています。


【取材協力】
桐生地区少年サッカー連盟
FCふじざくら山梨/山梨県南都留郡鳴沢村8532—5☎0555・28・7355
アルビレックス新潟/新潟県新潟市中央区清五郎67—12デンカビッグスワンスタジアム内☎025・257・0150