食材の名バイプレーヤー「生姜(しょうが)」。「しょうが焼き」のように準主役級をこなすこともあれば、おすしのガリのように名脇役として主演を見事に引き立てる幅広さ。今回は生姜にまつわるエトセトラを学べる「タウンわたらせ尋常小学校」、もとい「タウンわたらせGINGER(ジンジャー)しょうがっこう」を臨時開校!

第1限目/歴史
「意外と知らない生姜の歴史」

「ガリ」の原料、生姜のルーツ

 おすしに添えられている「ガリ」。何気なく食べている人も多いと思いますが、その原料である生姜は、いったいいつから私たちの暮らしに根付いているのでしょうか。

 全国トップシェアのすし用ガリを製造する遠藤食品(佐野市)の営業部課長の石川浩二さんに話を聞くと、生姜の歴史は想像以上に古いことが分かりました。

遠藤食品の石川浩二さん

 生姜の原産地はインドで、中国では紀元前500年ごろには薬用として利用されていました。日本に伝わったのは3世紀ごろ。中国を経て渡来しましたが、本格的な栽培が始まったのは平安時代になってからです。当時の貴族たちは、健康に良い食材として珍重していたそうです。

しょうがは昔、「ハジカミ」と呼ばれた

 「実は、昔から『しょうが』と呼ばれていたわけではありません」。こう話す石川さん。

 古くは「呉(くれ)のハジカミ」と呼ばれていました。「ハジカミ」とは、顔をしかめるほどの刺激的な辛さを表す言葉です。もともと日本ではサンショウを「ハジカミ」と呼んでいたため、中国から伝わった生姜を「呉のハジカミ」、日本古来のサンショウを「和のハジカミ」と区別していたそうです。

 石川県金沢市には、日本で唯一とされる香辛料の神様をまつる「波自加彌(はじかみ)神社」があります。毎年6月15日には「はじかみ大祭」(しょうが祭り)が開かれ、生姜や香辛料の恵みに感謝する人たちでにぎわいます。この祭りにちなみ、2009年には6月15日が「生姜の日」として制定されました。同社の遠藤栄一社長は今年も参列したそうです。

はじかみ祭の写真(提供:遠藤食品)

 室町時代になると現在の「しょうが」という呼び名が広まり、江戸時代には今と同じ「生姜」の漢字が使われるようになりました。ちなみに英語の「ジンジャー(ginger)」は、サンスクリット語の「角のような形をしたもの」が語源とされ、生姜のゴツゴツした見た目が名前の由来になっているそうです。

おすしとガリの深い関係

 江戸時代になると、生姜は関東以西を中心に広く栽培されるようになり庶民にも身近な食材となりました。

 生姜といえば、おすしに添えられる「ガリ」が有名ですが、その役割にも理由があります。

 冷蔵設備が乏しかった時代、生魚を食べる際の薬味として生姜を添え、その強い殺菌作用によって食中毒予防の効果を期待していたという説があるそうです。

 「ガリ」という名前の由来について、石川さんによると、すし店で漬け込んだ生姜をカンナのような道具で「ガリガリ」と削ったことから名付けられたという説や、食べたときの「ガリッ」という音に由来するという説があるといいます。

漬物王国は、和歌山、群馬、栃木

 ところで、ガリも漬物の一種ですが、意外なデータがあります。

 2022年の経済産業省「経済構造実態調査」によると、漬物の生産額は梅干しで有名な和歌山県が全国1位。それに続き、2位が群馬県、3位が栃木県となっています。私たちの身近な北関東エリアは、実は全国有数の「漬物どころ」でもあるのです。

 ちなみに遠藤食品本社には「しょうがお漬物直売所」があるので、そちらにも足をはこんでみてはいかがでしょうか。

【情報】

しょうが お漬物直売所
佐野市下彦間町697
0283・65・1400


第2限目/理科
「生姜はどうして体にいいの?」

 生姜はどう体に「効く」のでしょうか? 東日本栄養医薬専門学校(前橋市)で教壇に立つ管理栄養士の狩野こず恵先生にお話を伺いました。

 「漢方薬の7割に生姜が生薬として使われているといわれています。免疫力を向上させるので、夏バテ気味のときに食事に取り入れてみては」と狩野先生は教えてくれました。

 生の生姜にはジンゲロールという成分が含まれていて、体内の炎症を鎮める効果があります。「風邪をひいたら生姜湯」という昔からの知恵がありますが、実際にのどの痛みや鼻炎の緩和に効き目があるそうです。

 ジンゲロールの辛味成分は消化酵素の働きをサポートするので、胃腸の働きを活発にします。「食欲がわかないときに生姜を添えてみては。あと、乗り物酔いや妊娠中のつわりにも効果があるという研究報告もあります」と狩野先生。

 ジンゲロールは熱を加えるとショウガオールという物質に変化します。「ショウガオールには温熱効果や発汗作用があり、基礎代謝の向上や脂肪燃焼の促進効果もあります。食物繊維も豊富なのでダイエット向きの食材です」(狩野先生)。暑い夏の食卓に生姜をぜひ「キャスティング」してみてください。

【情報】

東日本栄養医薬専門学校
前橋市小屋原町1098-1
027・266・3300


第3限目/家庭科
「生姜をおいしくいただこう」

 生姜を季節関係なく冷蔵庫で保存していた記者。でも、狩野先生の話では「しょうがは13~15度で保存するのが理想です」とのこと。適温より低い温度で保存すると野菜が低温障害を起こしてしまうそうです。

 さて、生姜のおいしい食べ方提案として管理栄養士の狩野先生からはジンジャーエールを、遠藤食品の石川さんからは紅生姜入りの唐揚げをおすすめされました。

 ネットなどでレシピを探し、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 後日、紅生姜入りの唐揚げを実際に作ってみました。その時のレシピを「わたらせGINGERしょうがっこう(2026年7月11日号)/家庭科補習編」ページに掲載していますので、チェックしてみてくださいね。

紅生姜入りの唐揚げ

▶︎ わたらせGINGERしょうがっこう(2026年7月11日号)/家庭科補習編


第4限目/社会科見学
「岩下の新生姜ミュージアム」

 今年で11周年を迎える「岩下の新生姜ミュージアム」へ社会科見学に行ってきました!

 「漬物の博物館だから、地味な場所なのかな?」と思って一歩中に入ると、目の前は一面大にぎわいのピンク色の世界! 公式キャラクターの「イワシカちゃん」がかわいく迎えてくれました。

 ここで社会科のクイズです。「岩下の新生姜」の〝新〟って、どういう意味か知っていますか? 実は、「それまで日本になかった、まったく新しい生姜漬け」という意味が込められているんです。

 いまから約50年前、新しい食材を探していた岩下食品の3代目社長が、飛行機の機内食で台湾の生姜に出会ったのが始まり。みずみずしくて柔らかい生姜を日本に届けるため、なんと9年ものあいだ試行錯誤を繰り返し、当時の常識を打ち破る「冷たく冷やしたまま運ぶ仕組み(コールドチェーン)」を完成させました。

 館内は、巨大な新生姜のプロジェクションマッピングや楽しいゲーム、さらに現社長が音楽好きということで、ギターのピックなど珍しいコラボグッズもたくさん展示されています。

 おいしい生姜をみんなに届けるための歴史と、たくさんの「遊び心」がギュッと詰まった、まるでテーマパークのようなすてきなミュージアム! 週末のお出かけにぴったりのスポットです。

【情報】

岩下の新生姜ミュージアム
栃木県栃木市本町1-25
0282・20・5533
休館/火曜(祝日除く)、年末年始。その他臨時休館あり。入場無料。10時〜18時(カフェは11時~ラストオーダー17時半)


第5限目/卒業認定テスト
「生姜にまつわる豆知識クイズ」

 さて、「タウンわたらせGINGERしょうがっこう」はいかがでしたか? 最後は学校らしく「卒業認定テスト」です。記事をよく読めば全問正解できる、生姜にまつわる問題ばかり。ぜひ卒業を目指して挑戦してください♪ テストの後は、すてきな読者プレゼントにご応募いただけます。

 もちろん、合否やテストへの参加に関係なく応募できますが、せっかくなので腕試しも楽しんでみてください。

※プレゼントの応募は、「読者プレゼントのページ」からも可能です。