街中でふと目に入る〝似顔絵看板〟。「この顔、見たことあるな」「この人が店主?」気になりながらも詳しくは知らなかった看板の〝中の人〟に今回、実際に会ってきました。看板に描かれた顔とご本人、似ている? それとも似ていない? 似顔絵に込めた思いや、掲げることで生まれた反響、そしてお店・企業の素顔まで。まちの風景の一部になっている〝顔〟から、地域の商いの物語をひもときます。
❶ 桂建設/笑顔と安心を届ける「桂くん」

看板のイラストの名前は〝桂くん〟。このイラストが使われるようになったのは2002年くらいから。きっかけは会議中の社員のいたずら書き。いろんな社員の似顔絵がそっくりでこれを会社のキャラクターとして使ってみれば…という話に発展していったのだとか。数ある似顔絵の中で白羽の矢がたったのが現在、代表取締役社長の家住和徳さん。「社長の息子ということで問題ないだろうと、有無も言えず」メインキャラクターのモデルに。
看板の効果は徐々に発揮され、初めてのお客様や訪問先で笑みがこぼれたり、「看板の人が来た」と言われることが増えていきました。会話のきっかけになるだけでなく、親近感や安心感につながっていったりと会社のイメージアップにも貢献しています。
広告やチラシなどにも利用されていて、季節の行事に合った桂くんが登場しています。当時の広報担当者が着せ替え人形を楽しむように描いていたのだそう。
「楽しみながらやっていると、社員のポテンシャルもあがる。それが、お客さまにも伝わっていくといいなと。これからも地域に対して貢献できることを楽しみながらやっていけたらと考えています」と家住社長。明るい職場が想像できます。
桂建設
みどり市笠懸町鹿763-2
0277・76・7723
❷ ナカシゲ/似顔絵看板が広げた会社の認知

桐生市内を走るおりひめバスのラッピングや街中の看板の楽しそうなスタッフの似顔絵が印象的な同社。発案したのはヒゲをたくわえてガッツポーズをするご本人、中島数人専務です。
折り込みチラシの制作の際に広告会社のイラスト表現に着目、「スタッフをそのまま似顔絵にしたら面白いのでは」と写真中心から「顔が見えるイラスト広告」へと切り替えたそう。
産業廃棄物処理から始まった同社は、家庭ごみの回収も行えるという認知度が低く「見積もりにも参加させてもらえない」というジレンマもあり、「まず知ってもらう」ことを最優先に考えたものでした。
似顔絵を使った広告展開は次第に反響を呼び、問い合わせが増加。特にラッピングバスは日常的に目に触れるため効果が高く、「一気に認知度がアップ、地域に浸透した」と手応えを語ります。娘さんをはじめ、知人から「バスに載ってるよね」と声をかけられることも。
似顔絵のセンターにいるのは専務の兄で社長の丈晴さん。このお二人、似てませんがなんと双子♪ 似顔絵看板は、兄弟が手がける地域に根差した企業の存在を、親しみとともに広げる役割を果たしているようです。
ナカシゲ
桐生市境野町7-2
0277・44・7555
❸ シャディサラダ館 さくら通り店/全国デビューも果たした!?似顔絵看板

「贈答品を扱う店は少し入りにくいと思われがち。だから『どんな人がやっている店なのか』が分かるように、親しみやすい看板にしたかったんです」。そう話す店主の菅谷雄士さんが、似顔絵看板を設置したのは今から16年前のことです。
店先を掃除していると「似てるね」と声をかけられたり、常連さんから「看板の方が若くていい男じゃないか」と冗談を言われたりと、今や地域との大切な会話のきっかけになっています。
菅谷さんは「私自身は髪の毛も少し薄くなって昔より老けてきていますので、看板の方が若いと言われるのも無理はないかな」と苦笑い。ですが、「毎日この似顔絵を見ながら出勤しているので、そのおかげで少しは若々しくいられているのかもしれません」と、看板は自身の活力にもなっているようです。
かつて店前の道路がニューイヤー駅伝のコースだった時、テレビ中継に一瞬映り「看板が全国デビューしたね」と笑い話になったことも。現在はコースが変わりその風景は見られなくなりましたが、今も変わらぬ笑顔の看板を目印に、お祝いや仏事のお返し、季節の贈り物など多彩なギフトの相談を温かく迎えてくれます。
【情報】桐生市広沢町1—2930☎
シャディサラダ館
さくら通り店
桐生市広沢町1-2930
0277・55・5575
❹ あいはら整骨院/気軽に来てもらえるように

阿左美下原の交差点にある、柔らかい雰囲気の似顔絵看板。看板のモデルは院長の藍原義彬さんで、サプライズで知り合いが描いてくれた似顔絵が好評だったため、看板にしたそう。「毎朝、前を通るときに、看板にあいさつしているよ」という人もいるほど、親しまれています。
似顔絵とそっくりと言われる藍原さん。高崎健康福祉大学バドミントン部メディカルトレーナーとしての一面も持ち、心身ともにサポートする親身な人柄が、似顔絵の目元の力強さに表れています。地域の病院とも連携し、痛みを和らげ早く治したいスポーツ外傷や、遅い時間の交通事故治療にも対応しており、看板は「もしものときに思い出せる」ことに役立っているそう。
姿勢・骨盤改善、むくみ取りなど悩みに合わせた多方向からのアプローチが特長の同院。自身でも「特徴をとらえている」と話す似顔絵看板は、「看板を見て来ました」と、行きやすさにもつながっています。
あいはら整骨院
みどり市笠懸町阿左美142-6
0277・46・8986
❺ 中村興業/桃色の看板に込めた、優しさと未来への思い

看板ひとつにも、「解体業のイメージを変え、親しみを感じてもらえたら」との思いを込める代表の中村信哉さん。少し照れながら、そのこだわりを語ってくれました。
コーポレートカラーは印象的なピンク。当初はアニメっぽいキャラクターも考えていたそうですが、友人の勧めで自身の似顔絵をもとに手描きでデザインしてもらいました。完成した看板は、想像以上にやわらかく「思ったより、ずいぶんかわいくなりました」と笑います。
この似顔絵は看板だけでなく、社員の名刺の裏にもあしらわれており、話題になることもしばしば。「自分大好きな人?」と冗談交じりにいじられることもあるそうです。今回の取材依頼の際も、従業員と一緒に相談したところ「アイラブミー?」「インパクトの押し売り?」などと楽しい声が飛び交ったとか。現在もデザインはアレンジを重ねており、今後の変化にも注目です。
解体業と不動産業の両面から、思い出の詰まった建物に丁寧に向き合い、新たな未来へとつなげていく。そんな姿勢が、やわらかな似顔絵の中にも息づいています。
【情報】みどり市大間々町大間々597—8☎︎0277・46・8461
中村興業
みどり市大間々町大間々597-8
0277・46・8461
❻ 買取専門売るナビ ベイシア大間々店/顔が見える安心感で地域住民との距離が身近に

ベイシア大間々店内に隣接する不用品買い取りの同店。東武鉄道赤城駅ほか、周辺の道路に似顔絵を大きくあしらった看板が目を引きます。
「実際に店に立つ人の顔が見えた方が、親しみやすく安心してもらえるというオーナーの発案なんです」と話してくれたのは似顔絵ご本人の長谷川雅浩店長で似顔絵通りの優しい笑顔が印象的です。
買い取り店というと利用経験がない人には「少し入りづらい」といった心理的なハードルがあるのも事実。同店ではそうした不安を和らげるため、チラシには写真を入れるなど「顔の見える店づくり」を意識しているそう。似顔絵そのものについて直接言及されることは多くないですが、「顔を知っている安心感」が来店の後押しになっている実感はあるとか。
持ち込まれる品は地域的に貴金属が多いそうですが、中には「価値があるか分からない」と相談に訪れる人も多く、スタッフが一緒に調べながら査定します。「売る・売らないにかかわらず、買い物ついでに気軽に相談してほしい」と話してくれました。
買取専門売るナビ
ベイシア大間々店
みどり市大間々町大間々1773-1
(ベイシア大間々店1階)
0277・46・8804




