
桐生市宮本町で古道具屋「淡竹89」を営んでいる高井と申します。
私の思う「古道具のロマン」。最終回は住に関わるお話です。
古きよきものを大切に長く愛したいと思いつつ、物には寿命があると思っています。
壊れたり汚れたりで使えなくなる寿命、役割を終える寿命。
見かたを変えると、その寿命はもう少し延びたりします。
例えば古い汚れた着物や帯。全部が汚れているわけではないと思います。
私のお店ではそういうものを、解いて手芸用のハギレにしたり、台紙に貼ってご朱印帳を作るワークショップをしたりしています。
端を縫って何か飾るときのマットにしてもかわいいですよね。
役割を終えた寿命、例えば桐生にはたくさんある!?廃業した織物屋さんの糸車。植木鉢の台に、お盆を乗せて小さな机に、和紙や布を貼ってランプシェードにもできます。
祖父母の和菓子屋が廃業する時にもらった、大きな四角い蒸籠(せいろ)。分解してみたらくぎではなく丁寧に木を組み合わせて作られていました。
三つあった蒸籠のうち、二つを蝶番(ちょうつがい)で留めてVの字にし、分解した残りの蒸籠の木材を棚板にして、今は私のプライベートスペースの飾り棚になっています。
使い込まれた風合い、隙間がたくさんなので圧迫感のないインテリアになりとても気に入っています。
先日は汚れた帯を解いたら、見えなかった部分に検印があり「桐生織」と分かりました。
もとのカタチを解くことで、職人さんの丁寧な仕事が見えたり、産地が分かったりするのは、とても楽しいことですね。
もう一つ…受け継ぐ人がいなくなるという寿命もあると思います。
ご来店くださったお客様が「ウチにも同じものがあったのに捨てちゃったのよね」と寂しそうに話してくださることがあります。
寿という文字には「長く保たれる」という意味があるそうです。
長く大切にされてきたものが定められた命を終えるのが寿命。
後悔ではなく、祝福の意味を持つ寿の字のごとく、長く傍らに在ってくれたことに感謝と寿(ことほ)ぎを思ってくださればと思います。
もちろん捨てる前に、「このお道具に第二の人生はありませんか?」と聞いてくだされば、古道具屋淡竹89、夢とロマンを持って一緒に考えさせていただきます!
固定観念を捨て、時を味方に自由な発想で使えるのが古道具のロマンです。
まだまだお話は尽きません。この続きはお店にて♪
つたない文章、読んでくださった方々に、好き勝手書かせていただく機会を頂けたことに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。



